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イデオロギーとは

先月書いたブログ記事「自分の思考は自分のもの」に寄せて頂いたコメント内に「イデオロギー」に関する言及があり、アルゼンチン・ベルグラーノ大学留学時代にイデオロギーという言葉の解釈に難儀したことを思い出し、当時のノートを引っ張り出しました(一度気になりだしたら確認しないと気が済まない性格です。私のブログをずっと読んで下さっている方々にはもうお見通しだとは思いますが!)。


イデオロギーをスペイン語では、”Ideología” イデオロヒーアといいます。


「政治理論及び国際関係理論入門(Introducción a la teoría política y de las relaciones internacionales) という講義のノートに書き留めていました。

ピアノに続く事務作業からの現実逃避第二弾として、29年前の手書き文章をおこして日本語に訳してみました。


一か所だけ余白の部分があり、なぜそのまま放置したのか思い出せないのですが、前後の内容から該当する名前を入れて(太字)、スペルミスは訂正して28年ごしに文章を完成させました。入門の授業らしく、深堀りはされていません。

La palabra ideología es de origen francés creada por Destutt de Tracy, disciplina filosófica destinada a formar la base de todas las ciencias, y a proporcionar un conocimiento integral del hombre.


イデオロギーという言葉は、デュステット・ド・トラシ によって造り出されたフランス由来の言葉で、あらゆる科学の基礎を形成し、人間についての包括的な知識の提供を目的とした哲学的な学問である。

Para Napoleón, la ideología fue una creación doctrinaria elaborada al margen del corazón humano y de las lecciones de historia.


ナポレオンにとって、イデオロギーというものは人間の心や歴史の教訓を枠外において造り上げられた教条的な創作であった(*参考:ナポレオンは自分に批判的な観念学派を軽蔑的にイデオローグと呼んでいました)


Marx dio el nombre de ideólogos a los pensadores hegelianos y neohegelianos. Llamó a la doctrina del liberalismo. La ideología era una conciencia falsa, una fiel representación de la realidad.

マルクスは、ヘーゲル派とネオ・ヘーゲル派の思想家を観念論者と名付け、リベラリズムの教義と呼んだ。 イデオロギーは偽りの意識であり、現実を忠実に表現するものだった。


Para los grupos de la extrema derecha y pensadores neomaquiavelistas, la ideología traduce ausencia de realismo. Par unos sociólogos Manheim y teóricos del derecho Kersen, la ideología traduce una representación no fiel, por ser interesada de la realidad.


極右のグループやネオマキャベリ思想家にとって、イデオロギーはリアリズムの不在を意味する。 マンハイム社会学者やケルゼン法理論者は、イデオロギーは現実適合的であり、(

現実を)忠実に表現していないと解釈する。

Según Manheim el pensamiento político es determinado por la posición social del pensador relacional y relativo. Distingue entre la formulación especial y general de ideología y la misma puede ser total o parcial.


マンハイムによれば、政治思想は、相関的・相対的思想家の社会的立場によって決定される。イデオロギーは特別な定式化と一般的な定式化に区別され、全体的なものか部分的なものになりうる。

Ideología se utilizó como un sinónimo de doctrina de que es un conjunto de creencias e ideas que traducen una orientación espiritual determinada.

イデオロギーは、特定の精神的方向性を解釈する一連の信念や考えの集合体である教義と同義語として使われていた。

留学前にすでに学んでいた内容であれば理解も速かっただろうとは思いますが、マンハイム?え? ケルゼンって誰?の状態でしたので、脳はオーバーヒート状態で、頭からは常に煙がモクモク状態。荒行そのものでした。しかし、諦めずに取り組んでいると少しずつ理解できるようになり、面白くてもっと知りたい、もっと読みたい、という学習意欲がどんどん大きくなって、今日に至ります。


今回読み返してみて、ケルゼンのことがもっと知りたくなり、色々調べていたら、「ハンス・ケルゼンの政治学・雑感」という記事をみつけて早朝から読み入りました。そのうち、興味は執筆者である法学者堀内健志先生に移っていきました。堀内先生の弘前大での最終講義内容の記事「憲法学の過去・現在・未来」もみつけて、世界はやっぱりワンダフル・ピープルで溢れているなあと改めて感じました。

今一番会ってみたいかたです。


本題からそれてしまいましたが...

改めてイデオロギーとは何ぞや?と問われても、自分なりに解釈して説明できるまでには至っていないと気がつきました。ただ、人や地域や時代によって解釈の仕方が変わってきたことや、新しい解釈の試みは連綿と続いていることだけはわかりました。そういったところに私は面白さを感じます。

では、現実に戻るとします...

なかなかやる気が出ませんが...


どうぞ良い週末をお過ごしください🍀

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医療的ケア児のいま

今日明日とNHKハートネットTVが医療的ケア児を取り上げています。 1992年、リンパ管腫の治療を受けるために来日したメキシコ人のカルロスちゃんと家族の通訳をしたとき、気管切開と胃ろうのケアのため両親は4時間以上連続して寝たことがないと聞いて家族の大変さを思い知らされました。 日本の親御さんたちも長い間同じような状況を強いられてきました。今年やっと医療的ケア児の支援を強化するため厚労省が報酬の見直