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ハクソー・リッジ


6月30日。

親友の命日に、もう一度「生」を見つめなおしたくて、子供が寝た後、夫に留守番をお願いして一人で映画を観に行きました。

「ハクソー・リッジ」です。


あらすじです(公式HPより)。

第2次世界大戦の激戦地〈ハクソー・リッジ〉で武器を持たずに、 たった1人で75人の命を救った男の実話から生まれた衝撃作

 銃も手榴弾もナイフさえも、何ひとつ武器を持たずに第2次世界大戦の激戦地〈ハクソー・リッジ〉を駆けまわり、たった1人で75人もの命を救った男がいた。彼の名は、デズモンド・ドス。重傷を負って倒れている敵の兵士に手当てを施したことさえある。終戦後、良心的兵役拒否者としては、アメリカ史上初めての名誉勲章が授与された。  なぜ、彼は武器を持つことを拒んだのか?なんのために、命を救い続けたのか? いったいどうやって、奇跡を成し遂げたのか? 歴戦の兵士さえひと目見て言葉を失ったという〈ハクソー・リッジ〉の真に迫る戦闘シーンが、 “命を奪う戦場で、命を救おうとした”1人の男の葛藤と強い信念を浮き彫りにしていく─実話から生まれた衝撃の物語。

ハクソー・リッジとは、太平洋戦争末期の沖縄上陸戦で、その主要な戦場となった「前田高地」のことです。

その150mの絶壁が、(金属を切る)弓のこ(=Hacksaw)に見えたことから、米兵の間で呼ばれるようになったそうです。

「もし自分が戦争の時代に生きていたら、軍事政権の国にいたらどういう行動をとっていただろうか」

前者は子供のころから、そして後者は大学生からずーっと考えてきたテーマです。

この映画はヒントを与えてくれる気がして、みなければならないと思いました。

鑑賞中、まるで自分が戦場にいるかのような錯覚に陥りました。

耐え切れなくなって何度も途中退室しようかと思いました。

いつ襲われるかわからない恐怖。 凄惨極まりない光景。 終わりの見えない毎日。

戦場ではないけれども、ラテンアメリカでの体験がフラッシュバックしました。 ほんの一瞬の出来事だったにもかかわらず、未だに深く刻まれたままの記憶です。 戦地を経験した人たちの苦しみは、時が経過しても決して癒えないことは、想像に難くありません。主人公の父が、元全兵士の苦悩を代弁していました。 その夜は、予想通り、眠れませんでした。 小学生の頃、初めて「はだしのゲン」の実写版映画を観た時の夜と全く同じでした。 主人公のデズモンド・ドスも、ゲンのお父さんも、良心的兵役拒否者です。 周囲からの冷酷な迫害に耐え、信念を貫き通す姿が重なりました。 婚約者のドロシーが、軍法裁判を前に留置されているデズモンドを訪れ、彼に「ライフルを持つだけで訓練が終わり衛生兵になれるのよ、ここから出られるのよ」と説得しようとします。 ドロシーは愛する人を護りたかった、そのためには時に納得いかないことも受け入れなければならないと考えたのだと思います。

しかし、デズモンド・ドスはたとえ最愛の人と一緒にいれなくても、「武器は持たない」という信念を変えませんでした。 ドロシーはすぐに自分の考えを改め、彼を尊重します。

映画の最後に、デズモンド・ドスとドロシーが生涯仲睦まじい夫婦であったことを、本物の写真と共に伝えていました。

鑑賞後はしばらく放心状態で、頭の中がぐちゃぐちゃでしたが、各シーンを回想し2日経ってようやく、心の整理ができました。

自分の心に嘘をつかない。

愛する人の信念を尊重する。

観るべき映画を、大事な日に観れたことに感謝です。