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慈眼寺参拝記~1日目~

前回のブログはこちらです


慈眼寺は仙台駅から約20kmの場所に位置します。

元旦の護摩祈祷に参座するには当日午前9時の整理券配布に並ぶ必要があり、当日茅ヶ崎から向かうと整理券がとれない可能性もあるので、大晦日のうちに移動することにしました。


新幹線は私のように単独移動の乗客が殆どで、席はまばらでした。

慈眼寺は山深い地にあり、近所に宿はありません。10kmくらい離れた場所に有名な温泉地の秋保温泉がありますが、旅館は全て満室でした。

幸い、8kmくらい離れた神々根温泉で予約がとれました。HPには「慈眼寺参拝客も利用されている」とあり、さらに食事は全て部屋出しとのことでコロナ対策も万全でした。

仙台駅のジャパンレンでレンタカーを借りて約一時間で神々根温泉に到着しました。

神々根は「かんかね」と読みます。

山の中にひっそりと佇む一軒宿で、素朴な湯治場といった感じです。


中に入るとびっくり、心地よいブラジリアンジャズが聴こえてきました。

しかも音が抜群によくて、湯治場の雰囲気とのギャップに驚きました。

訊けば、音響マニアのご親戚からCDごと譲り受けられたとか。

見知らぬ土地でやや緊張気味の心を解してくれました。


エントランスや廊下などパブリックなスペースに暖房はありません。


しかし、お部屋は灯油ファンヒーターとこたつで暖められていて快適でした。

縁側との堺にある建具を開けると、ひんやりとした冷気が頬に当たり、実家や祖母の家を思い出して懐かしくなりました。

そのまま炬燵に入ってぬくぬくと休みたい衝動をおさえ、荷物を置いてすぐに慈眼寺へ下見に行きました。

雪道をゆっくり運転して30分くらいでした。

いつか来たいと思っていた地を踏めて、一人感慨に耽りました。

お寺の皆さんが寒い中駐車場や境内で参拝者を迎える準備を着々と進めておられて頭が下がりました。

写真ではわかりにくいですが、除雪車が絶えず駐車場の雪を除いて下さっていました。

ありがとうございました。

本堂でお参りをして、特別祈祷と護摩木の申し込みをしました。


お坊さんに明日は何時くらいから参拝者が来られるか尋ねてみたところ、今年はコロナと雪で全く読めないとのことでした。

私が見たNHKBSの番組では、参拝者は相当早く来て並んでおられたので、整理券配布開始時間の何時間前に来るべきか悩んで質問しましたが、結局、「準備が整い次第」宿を出ることにしました。


宿に着いて、翌朝に向けて車のワイパーを上げました。

今回私のお供になってくれたNoteくんです。

Noteくん、翌朝はすっぽり綿帽子を被っていました。


部屋に戻り、冷え切った身体を温泉で温めました。源泉掛け流しです。

加温されてて湯温が高かったので、長時間の入浴はできませんでしたが、入浴後は爽快感を感じました。


お風呂のあとは夕食タイムです。

家庭的で優しい味のお料理を頬張りながら、あるご婦人を思い出しました。

前に住んでいた家のお向かいのおばあちゃまです。

去年2月、誤嚥性肺炎により他界されました。享年93歳でした。


引っ越したあともしょっちゅう大家さん宅に遊びに行っておばあちゃまとも会食しながら昔の興味深い話を聴くのが楽しみでした。


おばあちゃまの年末の恒例行事は、小田原ヒルトンに一人で泊まって本を読みながら年の瀬を過ごすことでした。

その話を聞いた時、なんてかっこいい生き方なんだ!と、しびれました。

私もいつか一人になることがあれば、一人時間を満喫できる人になりたい、と思いました。


今年初めて自分も本を読みながら一人時間を過ごしました。

去年の自分なら、寂しくて仕方なかっただろうと思います。 でも、今年の私はそうではありませんでした。

いろんなことがあって、命や時間に対しての考え方に変化がありました。

今はコロナ禍で制限はあるにせよ、可能な範囲で未体験のことにチャレンジしていきたいという気持ちがより強くなりました。


翌朝にそなえ、除夜の鐘を待たずして、早々に就寝しました。

何かに守られているような安心感に包まれて熟睡しました。


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