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懐かしいにおい

先日、お世話になっているご夫婦から、新鮮な野菜と肉の加工品のプレゼントをいただきました。一品一品に食材の旨みがギュッと詰まっていて本当に美味しかったです。

商品の説明書きに「シャルキュトリー」という単語をみつけました。フランス語で肉の加工品屋さんという意味だそうです。


ふと、ブエノスアイレスに住んでいるとき、肉の加工品やチーズを売っているお店の前を通って通学していたことを思い出しました。

戌年生まれのせいか、生まれつき臭いの強いものが苦手な私は、その店が放つ独特のにおいがいやで、店の前を早足で通り過ぎていました。


ある日、現地の友人とその店の前を歩いたときに、「私、このにおい、苦手なの」と友人に伝えたら、友人は「このにおいは私たちにとっては故郷のにおい。食欲をそそるいいにおいよ」と言いました。ものすごいカルチャーショックを受けました。

「よし、このにおいに慣れないとアルゼンチンにはずっと馴染めないということ!慣れるぞ!」と意を決しました。

とはいえ、当時はホームステイ先で食事を用意してもらっていたので、自分で食料品を調達する必要がなく、店の中に入る理由がありませんでした。なので、できるだけその店の前をゆーっくりと歩くようにしました。


2度目にアルゼンチンへ行ったとき、同じ店の前を通ったら「懐かしいにおい!」と感じられました。一人ドヤ顔になったのを憶えています。


「シャルキュトリー」に話を戻します。

スペイン語だとなんというのか忘れてしまったので調べたら”Charcutería”と辞書には書いてありました。でも、なんかピンときません。ブエノスでみたお店にはそうは書いてなかった気がします。


そこで!グーグルマップで当時住んでいた住所から調べてみたら、ありました!!

Fiambrería! そう、それそれ!!

あースッキリ。


スペインの「広辞苑」的辞書、”Diccionário de Lengua Española”によると、Fiambreríaがシャルキュトリーの意味で使われているのはスペイン、アンダルシア地方、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、とのことです。おそらく移民の歴史と関係しているんでしょう。面白いです。納得です!


においって、忘れかけていた記憶をよみがえらせてくれる不思議な力がありますね。


ブエノスのチョリソが無性に食べたくなりました。


写真はフリー素材からイメージです(お店の写真、撮っておけばよかった~~)


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