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2024年初頭に思う

あけましておめでとうございます

2024年がみなさまにとって幸多き年になりますように🍀

 

年明け最初のブログは今年の抱負を書くつもりでしたが、新年早々発生した能登半島地震を受けて、今、思うことを書きます。

日本はこれまで度重なる甚大な自然災害を経験してきました。 なのに、国は一体どこまで本気で自然災害による被害を未然に防ごうとしてきたのか、常々疑問に感じてきました。

各自治体はハザードマップを作って注意喚起を促していますが、対策に必要な工事に対する補助金はほんのわずかです。

例えば、広島県の場合、土砂災害対策改修工事費はたった23%しか補助されません。一般的にこうした土木工事は高額なので、77%の負担は大きいです。 全国各地で多発する土砂災害に関して、崩れてくる土砂を堰き止めようとする砂防にも疑問を感じます。

そもそも崩れない山作りに注力した上で必要に応じて砂防を行うのが筋ではないかと思いますが、大型機械の導入を推進し必要以上に山の木を伐採し生産性を高める林業政策を選択した国策により、土砂災害の発生しやすい環境へと悪化しています。


液状化現象が起こりやすい場所の特徴はもうわかっているのになぜ開発許可を出すのでしょう。

今回倒壊してしまった家屋の耐震対策はどうなっていたのでしょうか。 すべて責任の所在が宙ぶらりんです。

なぜ自然災害は増え続けるのか。

なぜ被害は拡大するのか。

なぜ日本は負のループから抜けられないのか。

避難場所の情報整理や復興支援ももちろん必要なことですが、その前に危険地区への抜本的な防災対策を行ってほしいです。現状では「自然災害は防ぎようがないから被災したらどうするか」という対策が先行しているように思えてなりません。

これ以上被災者、被害者を生まないためにはどうすれば良いか、国は真剣に考えなければならないし、私たち国民は真剣に考えてくれる政治家を本気で選ばなくてはなりません。能登半島地震は全国民への警告だと思います。 人間に最も必要なものは、水。

まずは被害に遭われた方々に必要なだけ水が行き渡り、一日もはやく日常が戻るよう願ってやみません。



【2024/1/17 追記】


似通った意見を英語で述べているページを見つけました。

 

【国連防災研究所(UNDRR) websiteより

"While many hazards cannot be prevented, disasters can be."


「多くのHazards危険は防げないけれどもDisasters災害は防ぐことができる」


"Words matter. Describing disasters as natural suggests there is nothing humans can do to reduce disaster risk and mitigate their impact. Yet what turns a natural hazard into a disaster is often the consequence of human decisions that increase our vulnerability and exposure to risk."


『言葉は重要だ。Disastersを「Natural (自然の)」と表現すると、あたかも人間は災害リスクを軽減することも、影響を和らげることもできないような意味になる。しかし、多くの場合においてNatural Hazards(ナチュラル・ハザード)をDisasters(災害)に変えるのは我々人間の決断の結果であり、脆弱性と危険への暴露を高めている。』

 

”Hazards”と”Disasters”は明確に区別されるのに、日本は長い間Natural Disasters(自然災害)の意識を持ち続けてきたように思う。自然と共生してきた日本人ならではの捉え方なのかもしれないけれど、やはりこれからは「被災したらどうするか」から、より具体的に「被災者にならないためにはどうするか」を重視すべきではないだろうか。


UNDRRは

「#NoNaturalDisaters 自然災害を食い止めよう」ハッシュタグをすすめている。

私自身も、これまでNatural Disasters自然災害」という言葉を使ってきたが、これからはNatural Hazards自然ハザードとDisasters災害を区別していきたい。


意識を変えるのは言葉。


Words matters.


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