人との出会いは、時に未知の世界への扉を開いてくれる。
先月、いつも応援してくださるかたのお招きで、湘南アイバンク主催のチャリティコンサートを聴きに行ってきた。
まず、北里大学医療衛生学部神谷和孝教授による、角膜疾患と治療法に関する講演があった。
娘を出産する前は、神奈川県下の主要病院で医療通訳をしていたが、眼科領域の通訳経験はなかったので、殆ど知らないことばかりで大変興味深かった。
角膜を必要とする患者さんがどのように視えて、移植手術後どのように視力を改善させるか、わかりやすく解説して下さった。
その後、移植コーディネーターとして長く勤められた湘南アイバンクの元スタッフさんが、ある日のコーディネーターの動きについて、日記を読むように語られた。
角膜提供の登録をされていた女性が亡くなり、角膜が提供されるまでの流れの中で、ご遺族とのやり取りは胸に迫るものがあった。
メインのクラッシック・コンサートは、協賛の医療法人湘陽会はたの眼科のご子息でバイオリニストの秦野陽介さんと、同窓生のピアニスト池浦七菜子さんによる演奏で、とても優しくて温かい雰囲気のコンサートだった。
このチャリティコンサートをきっかけに、角膜提供について考え始めた。
もし私が不幸にして突然命を失うことがあっても、自分の角膜が誰かの役に立つなら提供したい。
家族に話をして、登録申請を行った。
広島から戻ったら、登録カードが届いていた。
また一つ心の視野が拡がった。